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メンテナンス 調整 修理

”さしあたって勤勉なバイオリン奏者は、弦や駒や魂柱を変えることによって、できるかぎり自分のバイオリンを改良するために全力を尽くします”

 レオポルト・モーツァルト著 塚原哲夫訳
『バイオリン奏法 Versuch einer Gründlichen Violinschule』より



ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの父レオポルトは優秀な教育者で楽器にも精通した音楽家でした。彼の書いたバイオリン教本は1753年に出版されその後各国で翻訳、再版がくり返されています。そのなかでこのように書いていることから、当時のバイオリン奏者(もちろん、他の弦楽器奏者も同様であろうが)は駒・魂柱などの可動パーツは自身で削ったり切ったりして作ったり、調整していたのではないか、と伺えます。
実際、こうしたことに馴れていない方は手間も時間も掛かりますし、必ずしも良い結果が得られるとは限らないので、これを請け負うような職業が出来て現代に至る「弦楽器屋」というものを形成させていったものと思います。

もっと時代をさかのぼるとルネッサンス時代、楽器の黎明期は演奏者自身が自分の演奏する音楽のニーズに合わせて楽器を改良させてきたようですが、レオポルト・モーツァルトが生活していた18世紀中頃の状況がこうだった訳ですから、現代のように専門の「調整屋」にメンテナンスや調整を完全に任せるようになったのはつい最近のことのように思えます。

たしかに駒や魂柱などの「調整」には特殊な道具が必要ですし、うまく作ったり勘どころをつかむには時間と経験が要ります。しかし、楽にチューニングが出来たり、良い状態をキープするために「メンテナンス」するのは演奏者自身で実施できて、保たれるべきであると思います。


そこでいくつか楽器のケアについて分類してみました。

  • メンテナンス:演奏者自身でできる手入れ
  •  
  • 調整:演奏しやすさ、音響を改善するために楽器のパーツを削ったり移動させる作業(特殊な道具や専門的な技術がいることもある)
  •  
  • 修理:楽器の破損や損傷を問題の無い状態に修繕する作業(専門的な技術が要るのがほとんど)


メンテナンスについては是非演奏者ご自身で実施して頂きたいことです。
調整は現在の楽器の状態に不満がある時に改善の余地がありそうかどうか検討してみてください。
修理は該当する箇所が見つかったら速やかに対応が必要な事象です。


篠崎バイオリン工房ではご使用の楽器の修理/メンテナンスについてのご相談、アドヴァイスは無料です。
楽器の調整、メンテナンス調整が必要な場合には楽器を拝見した上でお見積もりを提出します。

調整

楽器の調整、と呼ばれる類いの作業内容を紹介します。
現在準備中です。参考に出来る例が準備できたら掲載します。

駒の調整
魂柱の調整
指板の調整
ペグ、アジャスターの調節
ナット、サドル、テールピースの調整
ペグの軸、ペグ穴の調整
ネックの長さ、角度の調整
板の厚さ、バスバーの調整
チェロのエンドピン

修理

早急な対応が必要な場合の修理の例を紹介します。
現在準備中です。参考に出来る例が準備できたら掲載します。

接着の剥がれ
板のワレ、破損